【出演者コメント:オーボエ藤井貴宏】Oboe藤井貴宏×Bandoneon早川純 DUO TOUR VOL.3
投稿日:2023/03/25
4月25日(火)「Oboe藤井貴宏×Bandoneon早川純 DUO TOUR VOL.3」に出演する、オーボエ藤井貴宏さんよりコメントを頂きました。
▶バンドネオン早川さんと組むきっかけは?
実は東京藝術大学時の同期です!当時から活躍されていたバンドネオン奏者の第一人者である小松亮太さんのお仕事に、タンゴでは珍しいオーボエソロを含む曲があるということで、弟子の早川君に声をかけてもらい共演しました。オーボエとバンドネオン、一見異種に見えますが大学時代にそのような経験をさせてもらったことから違和感はありませんでした。その後20年の月日が経ったコロナ禍のある日に早川君から電話をもらい、その中で「アンサンブルをやってみようか!」となりました。
▶オーボエとバンドネオンの組合せの面白さは?
二人で演奏してみようとなった一番の理由、それはオーボエもバンドネオンも2枚のリードの間を空気が流れることによって音がでる楽器なので「合わせたら良い音がするに違いない!」と考えたからです。リードとは発音源となる薄い板のことを言いまして、オーボエは2枚の葦で出来たリード、バンドネオンは金属の2枚(場合によって3、4枚)のリードを沢山持っています。同じ素材どうしが触れ合って音が出る、そうちょうど人間の声帯と同じです。特にオーボエは植物の葦で自然なものですから「人間の声に一番近い音」と言われています。そして操作がとても難しいバンドネオンは「悪魔の楽器」と呼ばれています。そんな真逆のような楽器同士が対峙するのも面白いですよね。
▶公演の聴きどころを教えてください!
バンドネオン=タンゴというイメージが強いかもしれませんが、実はドイツ発祥です。そして原型となる楽器はベートヴェンの時代からあったというのだからびっくり。全ての教会にパイプオルガンがあるわけではなかった時代、数台のバンドネオンを合わせてその代わりを担っていたとも言われています。そして村祭りのダンスの伴奏でも。今回はお馴染みピアソラの「リベルタンゴ」などからクラシックの曲、そして映画曲まで、この二台の良さを最大限感じていただけるプログラムを組みました。勿論、お互いのその時のニュアンスを瞬時に受け取りながら「息が合うアンサンブル」をすることができるのは重要なポイント、良きパートナーです!世界でおそらく唯一の組み合わせのアンサンブルを是非釜石の皆さんにお聞きいただければ嬉しく思います。