イベント概要

ウィズ・ミューズシリーズ
第8回　中村天平ピアノコンサート ～欧州凱旋ピアノコンサートツアー2019～
ピアノを被災地に贈り届けるボランティア活動で幾度か来釜している異色のピアニスト中村天平。
現在、キャンピングカーでヨーロッパ全43ヵ国公演ツアーを敢行中、そのパワーアップしたパフォーマンスをぜひご堪能ください！

中村天平さんに演奏プログラムや公演内容をお聞きしました

────今回の公演内容

中村　昨年「Visions」と言うアルバムをリリースした中から、メインである8曲からなる組曲「クロード・モネと私」を弾く予定です。画家のクロード・モネにとても影響を受けてその人生に興味を持ち、2013年頃に彼の人生を辿る旅をしましたが、彼の作品を見たり、生涯過ごしたジヴェルニーの家を訪れたり、彼が見た風景や歴史をみたり、その途中で僕自身もたくさんの人と出会いました。その中で生まれた曲になります。
また、東日本大震災の翌年から5年間、被災地を支援するボランティア演奏とピアノを寄贈する「プロジェクト ライジングサン」^(注1)活動を行いました。その活動の中で、被災して住む場所を失った方などいろんな人と沢山出会い、話をして気持ちを受け止めて作った曲が「麗しき故郷（ふるさと）」。また、とても辛いことが起こったけれども、それでもまた次の日は海から朝日が昇ってくるから、朝日のように皆で頑張ろうという気持ちを込めて、震災後直ぐに作った「Rising Sun」を演奏したいと思っています。被災地を支援する活動の中で作ったこれらの曲は、僕の歴史の中でも大切なものなので、ぜひ演奏したいと思っています。

────公演を楽しみにしている方々へ

中村　僕にとって釜石と言う場所は公演で訪れる内の一つの都市ではなくて、「プロジェクト ライジングサン」活動を通じて、震災後のほとんど何もない状況の時から度々訪れている場所です。物理的な復興はかなり進んでいると思いますが、心の傷と言うものはそう簡単に消せるものではないと思います。僕は釜石の人間ではありませんが、1995年の阪神淡路大震災で神戸の自宅が全壊しています。復興は進んでいるけれど色々と難しい事もある、震災の同じ被災者として釜石の皆さんの気持ちに寄り添って、元気づけられる楽しいコンサートをしたいと思っています。会場にぜひ足をお運びください！

(注1)ライジングサン プロジェクト
2012年から2017年まで音楽家有志による被災地支援活動。ボランティア演奏やピアノの寄贈や修理を行いました。釜石では、コミュニティ施設やスペースでボランティア演奏を開催したほか、復興ハウス「釜石の箱AOBA」や県立釜石病院、釜石公民館にピアノを寄贈していただいています。

プログラム

・火の鳥
・一期一会
・麗しき故郷　ほか
※プログラムは変更となる場合がございます。予めご了承ください。

出演

中村 天平（なかむら てんぺい） 作曲家・ピアニスト

神戸出身。中学時代に阪神大震災で自宅が全壊。高校は半年で中退。家を出て解体業に従事しながら生計を立てる。
中学から完全にピアノと離れていたが、音楽専門学校から大阪芸術大学演奏学科ピアノコースに進学、同コースを首席で卒業。国際的な音楽家を目指し、2006年よりニューヨークヘ留学。2008年にEMIよりCDデビュー。2010年にはニューヨークのカーネギーホール(ワイルリサイタル)でのデビューを果たす。以降毎年アメリカ、ヨーロッパ・ツアーも行っており、オランダのコンセルトヘボウ、パリ日本文化会館のほか、欧州各都市でも演奏。日本国内では世界遺産・熊野古道での「紀伊半島秘境コンサートツアー」も実施。被災地にピアノと音楽を届ける震災復興支援プロジェクト「ライジングサン」を2012年から2017年まで活動、兵庫県芸術家協会から奨励賞を授与される。2017年から日本全都道府県を自身の車で巡る「全国行脚コンサートツアー」を毎年行い、世界を股にかけ活動中。